中室さんの「学力の経済学」より

今回は「努力を褒めるためのコツ」をお送りします。

私の中ではもっとも「意外」であった箇所であり、

同時に「勉強」になった箇所です。

私もこの方法に変えてから、

『効果があがった』

と実感できました。

以下、転載です。

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――低い水準の努力を褒めても逆効果というのはどういうことなのか、改めて詳しく教えていただけますか?

これは、私自身が e-learning大手のすららネットとNTT-Docomoと共同で行った研究から明らかになったことです。

この研究では、新しく開発した人工知能(AI)のオリジナルキャラクターが、小・中学生が勉強する際に何らかの「声かけ」をするという約半年間のトライアルが行われました。
声かけには、

(1)単なる雑談

(2)褒める声かけ(「すごいね!」など)

(3)努力を促す声かけ(「もっとがんばろう!」など)

の3つがあり、対象となる小・中学生はランダムに3つのうちのいずれか1つの声かけをする人工知能(AI)が割り当てられました。

半年後に、(2)の褒める声かけのグループに割り当てられた生徒たちは、(1)の単なる雑談のグループに割り当てられる生徒たちよりも勉強時間が少なくなるという結果になりました。

――え、それはちょっと意外ですね。

そうなんです。

どんなに褒め続けられても、やはり「自分は頑張った、良くやった」と本人が思えたときに褒められていない限り、効果は見込めないわけです。

――(3)のグループはどうだったんですか?

この3つのグループの中で、(3)の「努力を促す声かけ」に割り当てられたグループが最も学習時間が長くなりました。

例えば「1時間頑張ったね!じゃあ、あと15分やってみよう!」ともう一歩の努力を引き出す声かけをするのが有効だと分かっているんですね。

――なるほど、そうすれば、本人にとってちょっとハードルが高いことを乗り越えたという経験をつくり出せますね。

このように、少しの努力をこちらから引き出すような褒め方をしてあげると、学習の生産性を高めることができる可能性があるんじゃないかと思います。

――普通は「頑張ったね!」で終わってしまうことが多いと思いますが、プラスαの声がけがコツということですね。
ということは、何かを学習しているときは、出来るだけ側にいたほうがいいのでしょうか?

そうですね。
ずっと張り付くわけにはいきませんが、大人が側にいることの効果は確かにあります。

以前、小学校低学年の子どもを持つ親が家庭での学習にどのように関わっているか調査したことがあります。

この研究の結果、「勉強するように言う」ことにはあまり効果がなく、「勉強している様子を見ている」または「勉強する時間を決めて守らせている」など、親自身が関わるやり方がだと、子どもの学習時間を伸ばすという結果になりました。

ちょっと面倒だと感じられるかもしれませんが、何らかの形で子どもの努力をきちんと把握して褒める、ということが効果的です。

子どもの年齢が幼い場合でも、子どもが何をどんな風に頑張っているのかを親や周囲の大人がきちんと判断し、褒めることができると、学習の効果は高まっていくと思います。


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